PC750 6886

 
概要
スペック
システムボード
使用上のヒント
 Opti Dual PCI-IDE HDコントローラー
 HDの容量制限
 リファレンス
 SIMM
 VIDEO
 CPUアップグレード
 HDキャリア
 BIOSの適用間違い

概要
PS/55シリーズの後継のIBM の新しいシリーズとして 1995年 1月に PC720 と共に PC750 6885 PCI/ISA が発売されましたが、 MCA版の6886 はそれから半年遅れて 6月 に発売されました。
SurePass BIOS、 S3 Vision 868 2MB、 Crystal ビジネスオーディオ、4倍速CD-ROM ドライブ、P-90、EIDE と当時としては高級機の部類であったと思われます。 
 

スペック
  CPU       :  P-90MHz ~ P-133MHz
  SIMM      :  16MB ( 8MB x2 ) 最大 156MB
  L2キャッシュ: 256KB
  HDD        :  720 MB ( DSSA 3720 )  ( Adaptec 2940-W を搭載したSCSI HDモデルもあります )
  CD ROM  :  ATAPI  4x speed

1999年 12月に B-STOCK にて入手。 付属品無し中古という事だったが 未使用品 のような状態だった。IBM のFTPサイトで最新のBIOSをダウンロードし BIOS を N2JT50A にFLASHUP。 K6-II/300 を PowerLeap のPL-Pro/MMX-Plus を使用して P-90 から変更。 Win95Bをインストールして動作も快調。
その後  Madge Smart 16/4 と S3 Virge DX を 追加 (VIDEO は後にMatrox Millennium-II 8MB に変更 )し、HDをSEAGATE の15HEAD 6GB に取り替えて 外付け 36.6K モデムをセットしインターネット用マシンの出来上がり。
セットアップに関しては既に ISA 版の6885でほぼ確認していたのでとりたてて悩むことはなかった。

  BIOS はIBMサイトの サポート &ダウンロードから入ると現在は N2JT52A  しか見当たりませんが、N2JT50Aは今でも  FTPサイトで入手可能です。 私は 52A を使ったことはありませんが AHA 2940W系 のSCSI  I/F を使用する場合に、不 都合があるようなことを聞きました。 N2JT50A の状態で FUTURE DOMAIN のMCA SCSI を使用する分には何ら不具合はありませんが、私の場合 SCSI はブートドライブを繋いでいるわけではなく、スキャナの接続のみでしたので N2JT50A  でも同様の問題があるかどうかはわかりません。 

  ....と書いて改めて  US IBM SUPPORT に行ってみましたら なんと CURRENT LEVEL が N2JT50A に戻っておりました。 ( 2003.03.12 )
 

関連ファイル
  Product Index
  Software and Device Drivers
  N2MT28A.EXE    PCI/MCA モデル用リファレンスディスケット
  n2jt50a.exe        BIOS N2JT50A
  n2jt50a.txt         上記用 Readme txt 

PC730/750 シリーズ ( 6875, 6876, 6885, 6886) - Pentium 75/90/100/120/133MHz 
システムボード: 

       Outline was stolen from IBM manual
 
 
 

Bus/CPU スピード設定:
 Jumper  50/75  60/90
 60/120
 66/100
 66/133
 J26  2-3  2-3  1-2
 J27  2-3  1-2  1-2

キャッシュサイズ設定:
 Cache  J21  J22  J23  J24
 256 KB  1-2  1-2  1-2  1-2
 512 KB *1  1-2  1-2  2-3  2-3
 1 MB    *2  2-3  2-3  2-3  2-3
 512KB、1MB のキャッシュRAM の現物は見たことがありません.

   Riser connector
   Modem Ring Detect connector ( J15 )
   Diskette drive write protect jumper ( J29/ WP )
   Diskette drive connector
   Hard disk drive connectors
       0=Primary, 1= Secondary
   On/Off Switch power supply connector  (J38 )
7    On/Off Switch connector  ( J37 )
8    Power supply connectors
9    L2 Cache size jumpers
10  Processor connector
11  Bus/Core Ratio  ( J19 )
12  Cache connectors
13  Memory connectors (Bank 2)
14  Memory connectors (Bank 1)
15  Memory connectors (Bank 3)
16  Video memory connectors
17  Power-on password jumper ( J40/PWD )
18  Battery
19  Display connector
20  Parallel connector
21  Serial connector
22  Serial connector
23  Mouse connector
24  Keyboard connector
25  Audio jack ( Input jack )
26  Audio jack ( Output jack )
27  IDE CD-ROM audio connector
28  Mouse jumper ( J28 )
29  Bus/CPU - Speed select jumper (J26/J27
30  Hard Disk (1-2) / Power LED (3-4) 
31  Fan
32  Front-Panel (Audio) 
33  Speaker (3-4) 
34  Power Connector
35  Mute (Audio) 
36  Mute (Audio) 
37  AUX1 (CD-ROM) 

 ジャンパー設定 
 朱書きはデフオルトの設定. 
Jumper  Setting  Description
 J19  Open
 Short
 1.5倍速
 2倍速
 J28  1-2 
 2-3
 Mouse enabled 
 Mouse disabled
 J29 
 (WP)
 2-3
 1-2
 Enable writing to a diskette
 Disable writing to a diskette.
 J40
 (PWD)
 1-2
 2-3
 Password enabled.
 Password reset.
 

*1  オプションガイドには 512KB  セ低は記載されていません。
      上記は US IBM サポートサイトの  Product Index の内容です。
*2  TAG RAM: 256KB(標準)の場合 ソケット #10 は 空きです。
     マニュアルによれば 1MB で使用する際は#10に "TAG
    RAM"を追加 する、と書かれています。
標準では2番から9番のソケットにキャッシュ用のチップがセット
されており、 それぞれ右の図のように挿入するようになっています。

使用上のヒント 
OPTI- DUAL PCI IDE Controller 
全てではありませんが、Win95 がハードディスクコントローラーを正しく認識しない場合があります。
症状としてはインストールの最後のステージで再起動したときに "セカンダリIDEがなんたらかんたら "と表示されてWINDOWSが起動できなくなる、というもので、この件はかつて OPTI のサイトにウィンドウズのシステムレジストリを書き換えるという以下の解決策が出ていました。

   1.  From Windows 95 click Start
   2.  Click Run
   3.  Type in "regedit"
   4.  Click OK
   5.  Double Click HKEY_LOCAL_MACHINE
   6.  Double Click System
   7.  Double Click CurrentControlSet
   8.  Double Click Services
   9.  Double Click VxD
 10.  Double Click IOS
 11.  Double Click NoIDE 01
 12.  Change the value to 00
 13.  Close regedit
 14.  Restart the system 1)  From Start > Run execute with file name

WINDOWSは起動できるが MS-DOS モードだという場合は上記でよいのですが、そもそもシステムの最終構成ができていなくて、ブルー画面でクラッシュする、という場合は次の様にします。(私の場合は特に 6885.6886ともにインストールの度にそうなった。 ) 

  • 電源投入後 STARTING WINDOWS が表示されたら F8 KEY で起動メニューを表示する。 何度か起動に失敗している場合は多分自動的に表示されるかもしれません。

  •  SAFE MODEを選択する。

  •   SAFE MODEで起動したら 上記の 1~14 の手順でレジストリを書き換える。 

    どういう場合かはわかりませんが2度やらなければならないときもある。

先にも書きましたように全てのケースで不具合が出るというわけでも無い様で、現に私の友人の 6885 はまるで上記の問題とは無縁のようです。

HD の容量制限
   BIOS は 4.2GB 以上容量のハードディスクを正しく認識しない。
    16HEAD で且つ 4.2G 以上のHD は認識されません。 EZDRIVE などのツールが必要です。

    15HEAD のドライブであれば 6G のものは使用可能です (ただし BIOS は正しい容量を報告しません。)
    この場合の上限は 8.4G あたりだろうと思いますがそういうドライブを持っていないので定かではありません。

    容量とは関係ありませんが OPTI- DUAL PCI IDE Controller は 遅い です。

    また MCA/PCI モデルは ISA/PCI モデルに比べて POSTの所要時間が長く、Win95 が起動し終えるまでけっこう
    時間がかかります。 

リファレンス
入手したとき本体のみだったのでその後のことも考えて、BIOSを日本語版からBACKUPも取らないまま英語版に変更し同時に M2NT28A.EXEで英語版のリファレンスでシステムを構成しました。 診断はどこから持ってきたのか覚えていませんが これ を使いました。 他に QaPLUSPro も指示に従って導入したのですがうまくいったようにみえてもQaPLUSは導入できませんでした。コンビニエンスパティション はちゃんとHDに作成できているのですが、CTRL +A でADVANCED DIAG に入っても 構成DEVICEが表示されません。 そこから QaPlusPro を起動しようとしても結局 QaPLUSPro のFDを入れるように指示されます。  マニュアルがないのでこのあたりの正しい設定はわからないのですが一応構成変更等の際はリファレンス・パティションからリファレンスが立ち上がるので、少し不気味ですがとりあえずよしとしました。 (6GのHDを使用していることと関係があるのかどうかはわかりません。)

QaPlusPro には HDユーティリティがあり、これで IDE ドライブのローレベルフォーマットもできますが本当に必要なとき以外はこのユーティリティを起動することはやめたほうがよいかも....。

SIMM
32MB 60ns/70ns パリ付きSIMMPを使用可能です。 
6885 ( PCI/ISA モデル ) の場合は EDO SIMM も使用可能ということです。
ちなみに SIMM ソケットは6個ありますが 中央の2個  (上のアウトラインで 朱書き の14 )が BANK 1 で 右隣の 13 が BANK 2、そして反対側がBANK 3 という妙な配置になっています。

Video
S3 Vision 868を搭載しVRAM 2MB が標準です。 S3を使用不可にするジャンパーはありません。
PCI ビデオカードを使用する場合、Win95 はオンボードの S3 を同時に認識してしまいますのでディバイスマネージャー で S3 のプロパティ を開い 「使用しない」 を選び、ディバイスリストで X マーク を立てます。

  試した PCI VIDEOカード
  Virge DX3 搭載のカード
  Matrox Mystique  (ちなみに このカードは PC Server 320 8640 では使えなませんでした。 )
  Matrox Millenium
  Matrox Millenium II
 

CPU アップグレード
システムボードは133MHzまでの PENTIUM に対応しており、VRM などは持っておりません (ソケットも無い )。
133MHz以上のPentium を使用するには インターポーザーが必要です。 MMX あるいは K6 など場合は適正なコア電圧 を供給する電圧変換回路が組み込まれたインターポーザーが必要です。 PowerLeap の製品 は入手が容易なのではないかと思います。 
他にはインテルのMMXオーバードライブCPU や メルコ あるいは I/O DATA のCPU込みのキットが あります。

インテルの MMXオーバードライブCPUを除き、電圧変換回路付きインターポーザーを使用する場合は電源用のコネクタ をしっかりと接続しないと思わぬ事故を招くことがあるので注意しましょう。

  PowerLeap のゲタ( PL-ProMMX Plus) を使用して以下のCPUでの動作を確認しました。
    MMX166 and 233
    K6-300
    K6-II/400

    K6-III の場合はPL K6-IIIでないといけないようです。 PL-ProMMX Plus では動作しませんで
   した。

   メルコのHK6-MS366-V2SV とか MS400-V2 などの K6-III 込みのものも大丈夫です。

   K6-2/350 あるいはそれ以上のCPUを Windows 95B/95C ( 別名 OSR2/2.1/2.5 )で使用する
  場合は AMDK6UPD.EXE  が必要です。AMDの説明は こちら.  マイクロソフト方は
   Knowledge Base Q-235249 をご覧下さい。 

   I/O DATA,メルコ のユーティリティ
    PKK6.ZIP      IO DATA PK-K6H シリーズサポートソフトウェア Ver. 1.02
    HK6_2.EXE    メルコ HK6 シリーズユーティリティ

本題とはまるで関係ありませんが、
 I/O DATA のPK-K6H400/98 というPC9821用のキットを 98用と知らず、格安で入手し 6886  に取り付けたら トーゼン ではありますが起動できなかった。 基盤に 98 のシルクを見つけて PC9821用と知りました。
ところがこのキットがなんと HITACHI  FLORA 5DM03 でメルコのHK6-2.EXE を使用すると何故かOKでした。ちなみに  HITACHI  FLORA 5DM03 というのは ACER の V36LA というマザーボードを採用していて、このマザーは FMV などで も採用されているのですが、 HITACHI の方は L2キャッシュを 512KBも搭載しておりビジネス機としてはけっこう良いマシンでした。 

HDD キャリア 
HDD を取り付ける金属製のパーツは ボディ前後を連結しついでにライザーを固定するようになっています。  6885/6886 のライザはこの金属製パーツのHD側まで伸びており基盤裏側と金属部分との隙間はかなり狭くなっています。 ケースを開けたりするときは電源コ-ドを抜いて.....ということはあたりまえのことではありますが、このモデルの場合はこのあたりまえのことをおろそかにするとドエライことになったりしますので是非励行されることをお勧めします。
6885/6886 は 電源OFFの状態でも微弱電流が常に回路に供給されていて、電源コードを繋いだままHDキャリアを外そうとして金属部分をライザのハンダ面に接触させたりすると簡単にライザが壊れてしまいます。 私は 6885 で 2度も同じ失敗をしました。

MCA と ISA のBIOS を取り違えた! 
私自身はやったわけではありませんが。以前に
PS/2 Newsgroupe に出ていました。

MCA/PCI の 6886 に誤って ISA/PCI 6885 の BIOS UPDATE を適用してしまった場合、システムは起動できなくなります。
この場合は 6885のライザを入手して一旦 6885として構成し、その上で 6886 の BIOS を適用し、改めて 6886 のライザに戻してやれば、6886として復活するようです。 ちなみにアメリカでは 6885 を 6886 に変更する キットも販売 されていたようです。多分 ライザとリアのアダプターホルダーとBIOS DISKETTE がセットになっていたのでしょう。

6885のライザは 実は 6883 か 6887 のライザでも代用可能です。 どちらのものだったのか P/N を控えていないのですが、2度目のショート事故の後で入手したのは前方1/3が削られた短いライザだったのですが特に問題なく使用できました。 このマシンはその後 東北方面 (だったかな~ )に奉公に出されましたので今や確認が取れません。
 
 

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