486 CPU 用のゲタ ( インターポーザー )
はじめに
インテル社の 486SX/DX/DX2 などのCPUノート用とか特殊な省電力モデルを除いて486
CPU は基本的に5V のI/O電圧で動作するようになっています。 しかしながら DX4以上のCPUや Cyrix、AMDなどの3倍速以上のCPUの
I/O電圧は 3.3Vあるいは 3.45V に仕様が変更されています。 これらの 高性能CPUを
PS/55 や PS/2 で使用システムボードが供給する5V のI/O電圧を適正な電圧に変換し、且つCPU動作倍率を変更できる回路を備えたインターポーザー(
通称 ゲタ )を必要とします。
インターポーザーを使用せずに DX4-100 などを直接システムボードのソケットに取り付けた場合、たちどころにというわけではありませんが、 いずれ DX4-100 は蒸し焼きになってしまいます。 私自身は試したことはありませんが
DX4-100 が一応 5V でも動作することは知人がしばらくそのように使っていたということを聞きましたので即昇天というわけではないようです。 ただし AMD や Cyrix はわかりません
インターポーザーは通常ジャンパーブロックを基盤上に備えており、これらのジャンパーにより
1) CPU動作倍率の設定
2) WT/WB の切り替え
3) I/O 電圧の設定
4) 使用するソケットタイプの選択
5) INTEL/AMD のCPUタイプ選定
などが設定できるようになっています。
全ての製品が全ての機能を設定可能というわけではなく、ジャンパーは一切無いというシンプルな製品もあります。
386CPUと異なり、486の場合は1番ピンの位置を間違えた場合でもCPUがたちどころに昇天するということは無いようです。 CPU ピンを列をずらしてセットした場合はほぼ確実に蒸し焼きになります。
486DX100が登場した頃のPC雑誌記事によれば、 これらのゲタには DX4-100
あるいは Cyrix/AMD などの CPU、そしてPC そのものとの相性があり、 あるゲタでは DX4-100が システムAでは使用可能だが
システムBでは使えない、別のゲタはその逆…あるいは DX4-100は使えるが AMD は使えない….などなど いろんなレポートを見ることができます。
私は 5551-NAB 用に AMD5x86-133 のゲタ付きのキットを購入したとき、そのキットは
5551-NXB で動作確認済み、という事でした (JC-WORLD )。 PS/55について詳しくなかった私としては
NAB と NXB がどの程度違うシステムなのかわかるはずもなく、店員に聞いても同じ事で 「NABでは保証できません」などといわれました。
雑誌記事を読んでいた私としては非常に心配でしたが、他に「NAB対応」 という製品があるわけでもなかったのでやむを得ずその「NXB確認済み」を購入いしました。 結果オーライでしたが NAB と NXB が 搭載するDISPLAY
ADAPTERの違いでシステムとしては何ら変わるものではないことを知ったのはずっと後のことです。
その後あれこれとえたいの知れない「ジャンク」なゲタを入手しましたが、どういうわけか
まだ PS/55で使用できない、というものに当たっておりません。 もちろん黎明期の問題有りの製品は早々に市場から消えうせて確かな製品のみが生き残り、中古市場を経て私の手に入ったのかもしれませんが、当時の互換性に関する記事を思い出すたびに不思議だな〜と思う次第です。
PGA DX4/2
正式な名称は不明です。 基盤の上に PGA DX4/2 のシルク印刷があります。
上で紹介した JC WORLD 製の AMD5x86 に付いていたものも同様だったと思いますが、その後入手したものもそっくりであれこれ取り替えて他のPS/55でテストしているうちのにどれがどれだかわからなくなりました。
スペック
4x/3x/2x 設定可能
Intel/AMD( DX4) 選択可能
3.3V/3.45V 選択可能
WB/WT の設定は無し。
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Top View
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Bottom View
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am5x86/Fan on DX4/2
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ジャンパーブロック
J1 |
CPU内部動作偏倍率設定 (インテル用
と書かれていますが AMD 5x86および Cyrix5x86も含みます )
1-2 2x and 4x
2-3 2.5X,
無し 3x
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J2 |
AMD DX4-80/100 用 CPU内部動作偏倍率設定
1-2 2x
無し 不明
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J3: |
電圧設定
1-2 3.45V
2-3 3.30V |
EverGreen 586
EVERGREEN社が発売した4倍速の Cyrix 5x86-100 あるいは 133 を搭載したキットのゲタです。
日本の取り扱い代理店が扱ったキットには 1) Windows 95、 2) DOS/Win3.1 および OS/2 ( バージョンの記載はありません
) のキャッシュドライバが同梱されていたようです。 これは EVERGREEN の et9603.exe と同じものではないかと思います。
スペック
4x/3x/2x 設定可能
WT/CB (Cache Backの略と思われます)
ソケット選択 OD/MAIN
私は 「ジャンク」 ということで知人からこのゲタと Cyrix5x86-133 を譲り受けました。
いただいた当初 外側のピンのほとんどが変形していましたので、先の細いラジオペンチで一つづつ丁寧に修正しましたがコーナーの4つのピンは無残にも根元から折れてしまいました。
かような貴重なゲタをそのまま捨てるのはバチあたると思い、ヘタなハンダ付けに挑戦しなんとか4つのピンを埋め込むことができました。
下の中央の画像をクリックすればヘタクソなハンダ修復を見ることができます。
かようなこともあって残念なことにこのゲタを LIF ソケットでは使用することはできません。
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Top View
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Bottom View
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Cyric5x86-100/4x and EG
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Jumper Block
ファン用 DC conectorそばの
3ピン のジャンパー
CPU動作偏倍率設定 ; 基盤の指示に従い設定する。
中央の 3ピン ジャンパー
キャッシュバック設定 ; CB は Write-Back cach、 W/T は
Write-through
右端 の 3ピン ジャンパー
( CPU 1番 の反対側 )
ソケットタイプの選択 ;
OD は Overdriveソケット用
他方は メインあるいは標準ZIFソケット用 (とマニュアルに書かれている)。
EverGreen
/am5x86 QFP
AMDの 5x86-133 のQFPパッケージを採用したアップグレードキットです。
4倍/3倍の設定、WT/WBの設定 そして ソケットタイプの選択が可能です。
ジャンパーの設定
左側 |
ソケットタイプ選択
OD
は Overdriveソケット用、他方はメインあるいは標準ZIFソケット用
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中央 |
CPU動作偏倍率
Clock multiplier: 左-中央 で3x、 中央-右 で4x
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右側 |
L1 キャッシュ動作
左-中央で
WT, 中央-右で WB |
PowerLeap PL586
これも上記同様に 4倍/3倍の設定、WT/WBの設定 そして ソケットタイプの選択が可能です。
スイッチ設定
FAN用の電源pinが基盤に設けられています。
各種設定用のスイッチは基盤裏側、ソケットPIN の中央部にMO蹴られており、設定変更の際はその都度ソケットから取り外す必要があります。
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Position 1 |
Position 2 *1 |
Position 3 |
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ソケットタイプ |
WB/WT の選択 |
偏倍率設定 |
On ( Upper ) |
標準 あるいは ZIF ソケット |
Wright-back |
2x, 4x *2 |
Off ( Lower ) |
O/D あるいは 487SXソケット
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Wright-through |
3x |
*1
ポジション2
は TI486DX4 やCyrix5x86の場合無視されます。 これらのCPUの WB/WT
機能はシステムBIOSで自動認識となっています。 対象のシステムがソケット3採用ではなく、システムBIOSがこれらのCPUをサポートしていない場合、システムBIOSはそれを検知して自動的に CPU をWTモードにセット
します。.
*2
AMD5x86-133
あるいは Cyrix 5x86-133 あるいはそれ以上 の場合は 4倍速。
Intel/AMD/ST の486DX4-100 , Cyrix 5x86-100 あるいはそれら以下の場合 は
2倍速。
PL586 with am5x86 QFP ( newer type )
持ってません。
JC World Version
of am5x86 QFP
PL586によく似ていますが基盤上にはジャンパー類は一切ありません。
倍率 は4倍に固定されています。( amd5x86ですからそれはそれで問題はありません)用途不明の ROM のようなものが基盤裏側PINの中央部に設置されています。かつてJC
WORLD はAMDを受け付けないシステム用にいろいろな修正を施したゲタを販売していましたので、これもたとえばシステムBIOSをごまかすなんらかのおまじないを含んでいるものなのかもしれません。 そのことを期待 9595用のTYPE-4
N コンプレックス ( DX2-66 以外を受けつけない)で試してみましたが、残念ながら
9595 はブートしませんでした。
Top View
HAS-33T-BA
このゲタについてはよくわかりません。 以前はジャンク屋でよく見かけました。
PIN の設置からすると ODP ソケットでの使用を前提にしているように見受けられます。
製品そのものはメルコ社によるもので、PC-9801用のものかと思っていたのですが PS/55でも使用可能です。
基本的にこのゲタは3倍速CPU用となっていますが、基盤裏のR17周りにつながる未使用の抵抗用のブロックがありますのでその気になれば4倍速への変更も可能と思われます。
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Top View
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Bottom View
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Cyrix5x86 GP120/Fan
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Jumper Block の組み合わせを探る
わからないまま使いつづけるのもどうかと思いテスタであれこれ探索してみた結果、
このゲタは JP3 と JP4 を それぞれ 1-2/1-2 あるいは 2-3/2-3
の組み合わせで使用することになっているのではないかという結論に達しました。
電圧あるいは偏倍率については固定で、以下のシステムを想定しているのではないかと考えています。
-
MAIN ソケットのみを持つシステム ( PIN穴が169であろうと
168であろうとあまり関係ない。 ソケットによってはKEY部分がただの穴 になっているものもある
)
-
QFP 486SXが直付けされており ODP ソケットを備えるもの
JP3/4 の各PIN とソケット側並びに CPU側との結線状態
JP4 |
Pin 1 |
NC |
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Pin 2 |
ピン側で B14 に接続 |
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Pin 3 |
Vss に接続 |
B14 : UP# ( OUT ) for OverDrive CPU ( ODP )
UP# (
IN ) for SX QFP & DX/DX2/DX4 |
JP3 |
Pin 1 |
ピン側で C14 に接続 |
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Pin 2 |
CPU側で C14 に接続 |
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Pin 3 |
ピン側で A13 に接続 |
C14 : FERR# for DX/DX2/DX4
A13 : FERR# for ODP |
Jumper settings ( これは私の推測です)
CPU |
JP3
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JP4
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CPU 構成 とソケットタイプ
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ODPR
DX2/DX4/AM DX4
CxDX4, 5x86 |
1-2 クローズ
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1-2 クロ−ズ
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SX CPU 無し、 メインソケットのみ |
2-3 クローズ
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2-3 クロ−ズ
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QFP SX有り、 ODP ソケット |
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ACE 486
このゲタはとてもシンプルでjumperの類が一切ありません。
入手したときはこんなもので本当に5x86
CPU を使用できるのか不安でしたが、なにもない分安定して動作します。
規定電圧がどなっているのかわかりませんが、偏倍率は 3倍に固定されており、ちょっとした細工で4倍速に変更できるようになっています。
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Bottom View
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am5x86/Heat Sink/Fan
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画像の緑色のジャンパは4倍速用のものではなく ODPR CPU を ODP
ソケットで使用するための修正をやりかけたものです。 B14(UP#)が Vss に接続されています。 この後 A13
を C14 に接続する予定だったのですが、その細工をしないでも、使用予定だった 5530-L のODP
ソケットでは ODPRタイプのDX4
が使用可能であることがわkりましたので、作業はそこで中断したままです。
4倍速への変更は中央の画像で確認することがっできます。 R17のVccへの接続ラインを
カットし
R17 を Vssに落としてやれば AMD 5x86 は内部4倍速で動作します 。 ( R17は通常は
どこにも接続されず、CPUは内部でPULL UP されており、この場合は3倍速動作となります ) ACE DX4の4倍速化画像の拡大版は
こちら
をクリックしてください。
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PS/55 Index
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