本シリーズのセールスブローシャー(PDF)
概要
5510シリーズは1990年 10月に発表された日本IBMの DOS/V の拡販とNECに席巻されたパーソナルユーザーマーケットの切り崩しを狙って安価な PS/55 すなわち PS/55Z の新機種として 1991年5月に個人ユーザー層を対象に発表されました。
個人ユーザーを対象とした PS/55Z は1989年11月に5530-ZSXでスタートしていますが、IBMとしてはDOS/V普及の戦略機としてより安価な新機種の市場への投入が必須だったのでしょう。 かくして
CPU にi386SX を使用し、日本語D/AからVGAに変更した 5510-T、 更に安価な 286-12MHzを採用しVIDEOは VGA という非MCAの
5510-Z という2機種が投入されることになったようです。 同年12月にはWINDOWS 3.0J と DOS 5.0/V をインストールし
XGAを搭載した 5510-TW8、 5510-Zの後継機で CPU を 386SX-16に変更した
5510-S が投入されました。
5510-Z ( Z02/ZJ2, Z04/ZJ4
) 1991 5月発売
5510-Z はMCAではなく、 AT バス かつ 80286-12MHz
CPUを搭載しており"エントリーモデル" としての位置付けでした。 フロント形状は PS/2 model
35/56あたりと似通っています。.
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CPU
Memory
FDD
Video
HD |
286-12
1MB (30PIN SIM)
2モードドライブ 1.44MB/1.2MB/72KB (Z02/ZJ2
は2FDDモデル
WD90C10-LR VRAM 512KB
Z04/ZJ4 は IDE 40MB を搭載 価格 5510-Z02( ベーシックモデル、HD無し ) ;
JY198,000
ZJ2/ZJ4 は DOS J4.0/V 同梱で出荷されました。 |
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メインメモリーは1MBですが
「漢字フォントROM JIS 第1、第2水準、及びIBM選定文字と特殊文字を含む8211文字
搭載」とのことなのでフォントファイルをEMSに展開する必要がないので DOS/V要件の
メモリー2MB以上
に引っかからないのだということなのでしょう。
VGAに関しては下に紹介するサイト説明によれば WD90C10-LR
はシステムボードに載っています。 漢字フォントROMは....ケーブルの下の縦長の2つかな〜...と勝手に想像。
なお、漢字フォントROMの搭載については以下の5510-S、
5510-Tにおいてもセールスブローシャーに同様に記載されています。
本機の外形はPS/2の
ISA機である Model 35 (8535
)とよく似てますがあちら様は72PIN SIMM
スロット3個ですからシステムボードはかなり違うようです。
当モデルについてはStudio
Pooh & Catty さんの Schwarzschild Cafe 内の
退廃的互換機趣味発掘編
解剖編 謎のHDDカード
をどうぞ。
実際に使い倒した方のレポートです。
内部も画像付きで拝むことができます。
訪問されて抜け出せなくなっても責任は負えません。
ちなみに猫さんの名前はうちと一緒みたいです
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5510-S ( S01/SV1, SV4,
SW4 ) 1991 12月に 5510-Zの後継モデルとして登場

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5510-Z同様に5510-Sも非MCA期です。
10-S は OADG による DOS/V ハードウェア・ソフトウェアの検証機として用いられました。
CPU ; 386SX-16 (コプロソケットあり)
Memory; 2MB (最大6MB)
FDD ; 3モードドライブ
( 1.44MB/1.2MB/720KB)
Video ; VGA WD90C11A-LR VRAM
512KB
800 x 600 SVGA モードをサポート
HD
; SV4/SW4 は IDE 40MB HD 搭載。
SV1 ( FD モデル ) は IBM DOS J5.0/Vをフロッピーで同梱. |
Type
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HDD
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FDD
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RAM
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OS
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価格
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発売時期
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SV0
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-----
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1
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2MB
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-----
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JY 248,000
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1991 12月
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SV1
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----
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1
|
2MB
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DOS J5.0/V
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JY 264,000
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1991 12月
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SV4
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40MB
|
1
|
2MB
|
DOS J5.0/V
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JY 358,000
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1991 12月
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SW4
|
40MB
|
1
|
6MB
|
DOS J5.0/V
+ Win3.0
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JY 465,000
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1991 12月
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5510-Zの項でも書きましたが
「漢字フォントROM JIS第1、第2水準、及びIBM選定文字と特殊文字を含む8211文字」搭載の旨記載があります。
5510-T
1991年
5月 発売。 その後 12月に Windows 3.0J 搭載モデルを追加.
5510-T は P/55Zとして扱われていますが ”安価"ではありません。
それもそのはず、 5510-T は MCA機で且つ 386DX-20 を搭載した、いわばPS/55Z というより PS/55 とも言うべきモデルです。 5540-T の 日本語D/AをVGAカードに変更して BIOS を変更したのが 5510-T
ということかと思うのですが 5540-T
とどこがどう異なるのか実機を開けたことがないのでよくわかりません。
XGAが使えるということは大きな違いではあります。

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CPU
Memory
FDD
Video
HD |
386DX-20
2MB
2モードドライブ
T04/TJ4
は VGA VRAM 256KB とブローシャーに記載されている。
12月に追加されたTW8 モデルは XGA /A (VRAM 1MB) を搭載。
40MB ( ESDI ) T0/TW4はHD 80MB |
Type
|
HDD
|
FDD
|
Video
|
RAM
|
OS
|
価格
|
発売時期
|
T04
|
40MB
|
1
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VGA
|
2MB
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DOS J5.0/V フロッピー同梱
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JY 358,000
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1991 5月
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TJ4
|
40MB
|
1
|
VGA
|
2MB
|
DOS J5.0/V
|
JY 554,000
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1991 5月
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T08
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80MB
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1
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XGA
|
2MB
|
DOS J5.0/V
|
JY 628,000
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1991 12月
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TW8
|
80MB
|
1
|
XGA
|
6MB
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DOS J5.0/V+IBM Win 3.0J
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JY 751,000
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1991 12月
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2020.12.20
5510-Tに関するページを見つけました。 shibataさんのサイト。 ところが
5510-T への入り口がみあたらないので ここ
をクリックしてください。
ページ中段に 5510-T、更にその中の ビデオカードはVGAだった
をクリックすると見たことがなかった VGA
表示アダプタがあるではあ〜りませんか 。
VRAMについては T04/TJ4のVGAモデルは256KB、 XGA
/Aを搭載するT08/TW8では1MBとなっています。
いずれのモデルも「漢字フォントROM JIS第1、第2水準、及びIBM選定文字と特殊文字を含む8211文字」の項がありますのでフォントROMのみシステムボードに載っているものと思われかなり珍しい構成であると思います。
上記サイトにあるVGAアダプターはカード上端左寄りに怪しげな VRAM追加用を意図したと思われるコネクタのランドらしきものが見えます。 みたところ PS/2の
512KB SVGA /A
とも全く異なっており一度じっくり見てみたいものです。
PS/55 Index Page
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