PS/55 のモデルナンバーについて
日本語ベータ 版 2003.03.15
Update 2003.05.31
Update 2020.12.07
PS/55 のパソコンについては xxx0
という表記と xxx1.という表記を目にします。
たとえば "5550" は "5551"
とも表され同様に "5560" は "5561"
とも表示されます。
かと思うと一部のモデルは末尾 に "1"
は使用されません。 ここには何かしら
「規則」 があるようです。
モデルを表記する上での正しい「規則」
がわかりませんので、当サイト内では
同一機種を表記するのに xxx0 と xxx1がゴチャ混ぜに使用しています。
5551であっても 5550 であっても 末尾の "0" と
"1"
とで別の機種を示すわけではなく同じ機種を示しています。機種の違いは
4桁に加えてそれに続く 3桁のタイプコード、もしくは
最初のアルファベットを加えることで機種の違いを示しています。
正統派のみなさんにとっては許しがたいものかもしれません
が、正しい「規則」 がわからないのでこの点はお許しいただければと思います。
でもって、やはりここは自分なりに
モデルナンバー の仕組みを考えてみます。
1996年 既にPS/55の生産は終了していましたが、私はこの頃から
PS/55と関わりはじめました。 その頃 は 0 と 1
の違いは 5550 のみに存在し 386系に "0"、 486系に
"1"
をあてがっているのだろうと考えていました。
その後システムガイドを見ていて 386系の 5550 も
機種詳細では "5551" と記載され、逆に 486系 の5550も大枠で語られるとき、たとえばブローシャーのタイトルなどは
しっかり 「モデル 5550
」と表記されることを知りました。
システムガイドの表示を眺めているうちに
「末尾 0 はシステム
として捉えた場合、あるいは個々の細かい仕様によらずを一くくりでモデルを表す時
に使用する。 翻って 末尾 1 は PCユニットそのものを示し、且つタイプを示す
3桁のコードもを伴って使用する。 機種判別の際は
タイプを示す 最初のアルファベット
を同時に用い、そのときは xxx0 あるいは xxx1
いずれでもよい 」
ということが言えるのではないかと勝手に理解することにしました。
ちなみにPCガイドブックでは「型式」として xxx0-x
と記載され ( 例 5550-T、
5560-W など
)、末尾3桁を含むモデル名詳細は「機種」として
xxx1-xxx
(例 5551-V0A、5561-W1Bなど)として記載されています。
ただしこれは勝手な推測ですからこのサイト内での記述に際しては
「存在しない番号で表記しない」 限り 0 と 1
はあまりこだわらない、という方針で記述しています。
0 と書こうが 1
と書こうが同じモデルだと認識してくれればよいわけで
GHz の時代に今更
どうでもいいといえばどうでもいいわけで.... ^^;.
と、いいつつも
PS/55のモデルナンバーを眺めて見ましょう
-
5530 は PS/55、PS/55Z
いずれにおいても 常に「5530」 である。
つまり 末尾 "1"による表示は存在しない。
-
同様のことが 5510 にも当てはまる。
-
末尾 "1" を持つものは 5550、 5540、
5560、 5570 である。
何故か 5580 は 常に 5580 である。 加えて 5560
であっても最新の DX2/66カードを搭載するモデルはなぜか
5560-Nxx である。66 660
-
ラップトップ系は 末尾 "5"
が使用されている。 例 5535-S、 5545-T
など。
ふとしたきっかけから IBM
マルチステーション について詳しい T氏とメールでやり取りをするようになり、T 氏からモデルナンバーについてのかご意見をいただきました。
T氏によれば PS/55 のモデルナンバー は兄貴分というか
先輩各というか IBMマルチステーション 5550シリーズから連綿と続いており、ナンバリングの規則も
たぶん引き継いでいるのであろうという事でした。
そしてたぶんに上で述べた「規則性らしきもの」
はおおむね間違ってはいないのではないかという事を示す事実を教えていただきました。
T氏によればマルチステーションの場合、代表モデルである
5550 は以下のように構成されます。 ( 以下は システムガイドで確認しております。
)
5551
|
PCユニット。
タイプは 3桁で構成され、タイプの基本要素を示す最初の文字に
A から P までが 一部飛び番で使用された。
|
5553
|
プリンター
|
5555
|
ディスプレイ
|
5556
|
キーボード
|
5557
|
プリンター
|
5559
|
拡張ユニット
|
2, 4, 8
が抜けていますが、ここでいえることは 1; PC
ユニット、2~ 9 ;PCシステムを構成する機器(一部は必須)
として割り振られており、システム全体として 5550
として捉える、 とういうことです。
ちなみに
既にマルチステーションにおいて エントリーモデル
の 5530 ( これは DISPLAY一体型ではないと思われる
)は既に "5530 " のみの表示であり、末尾3桁を伴う場合でも
5530-Gxx/Hxx となっています。
マルチステーションのナンバリングの規則を当てはめると、PS/55のナンバリングは先に述べた
「末尾 0 はシステム
として捉えた場合、あるいは個々の細かい仕様によらずを一くくりで
モデルを表す時 に使用する。 翻って
末尾 1 は PCユニットそのものを示し、且つタイプを示す 3桁のコードを伴って使用する。」
ということである程度正しいのではないかと思われます。
T氏の推測は更に続きます。
5580
|
新しいセグメントである 「サーバーモデル」
であり、これまでに使用されていない番号で上位となる "8"を割り当て
(マルチステーションの規則に縛られること無く ) 敢えて紛らわしい xxx1 は適用しなかった。
|
エントリー
モデル
|
マルチステーション 5530 に倣い xxx1
は使用しなかった。
というか エントリーモデルは xxx0
という規定がマルチステーション時代に設けられていたのかもしれない。
むしろ後者の方が正しいと思われる。
従って 5510 も常に 5510 でしかない。
|
以上が マルチステーションから PS/55にいたる
モデルナンバーの 「規則」
ということになるのではないでしょうか。
さて それでは 5521-Y はどうなる?
5521-Y は発表時点で
「エントリーモデル」として位置付けされています。
ということは "50"以下で未使用の番号というと
"20" となる。 ところがこの子はまぎれも無く5550と同列のマシンである。従ってエントリモデルのナンバーを与えるにしても
5520 として括るにはやや問題がある。 かといって 5551
としてユニットを命名しようにも 既に 5551-Y という
同じ486SX-33 搭載モデルが存在する。 そこで 486 5550系統であり
エントリーモデルであり 486SX-33
を搭載するという条件を全て満たすモデルとして
5521-Y としたのではないか... (
苦しいけど 当たっていそう )
IBMマルチステーション
については以下を参照ください
http://ibm5550.na.coocanjp/index.html
http://ibm5550.na.coocan.jp/tips.html#model
まとめ
( 事実に基づく "推測 " )
1桁目(末尾 5 5 n X )
0 : PCシステム全体としてモデルを総称するとき「型式名」に使用
1 : PCユニットそのものを示し、通常
メモリ, HD, OS その他
の仕様を規定するタイプコード 3桁と共に「機種名」として用いる。
2以上: 原則として システムを構成する
キーボード、ディスプレ イ、プリンタなどのオプションに使用される。
* 2桁目との組合わせで本体を規定する場合もある。
( 5535,5545 など)
|
2桁目 ( 5 5
X 0
) の表すもの
2桁
|
内容
|
例
|
0
|
工業用モデル
|
5500
|
1
|
エントリーモデル
|
5510-S、 5510-Z、 5510-T
|
2
|
エントリーモデル
|
5521-Y ( 5523 ? )
|
3
|
エントリーモデル
(あるいは箱型 )
|
5530-S/T/U/V/L
|
4
|
普及クラス
|
5540-T
|
5
|
DESKTOP 主力
|
5550-S/T/V/W/N/Y/R/L
|
6
|
DESKTOPハイエンド
|
5560-W/N
|
7
|
タワー
|
5570-S/T/V
|
8
|
サーバー
|
5580-Y
|
9
|
最強マシン
|
出ないまま 9595で終わった
|
3 と 4 はLAPTOP,
LUGGABLE を含む。
参考
末尾 および 2桁目との組み合わせによるPC本体あるいは
OPTION リスト
一般般的に PS/55向けのオプションの2桁目は
7 以上になっておりマルチステーションと異なる
|
内容
|
価格
|
nnn0
|
システムとしての総称
「型式名」
|
|
nnn1
|
PCユニット(メモリ、HD、OSなど構成要素の3桁を伴なう 「機種名」
|
|
5502-S/T/V/W
|
耐環境性・工業用モデル
のPCユニット
|
|
|
|
|
5572-B02
|
ワイヤー・ドット・マトリックス
プリンタ ( 24ドット ) 10インチ
|
89,800
|
|
|
|
5523-Sxx
|
ノートブック PC本体
|
|
5523-Vxx
|
ノートブック PC本体
|
|
|
|
|
5573-G02/H02
|
ワイヤー・ドット・マトリックス
プリンタ ( 24ドット ) 10/15インチ
|
133,000
|
5574-Cxx/Sxx
|
PS/55
カラー・ディスプレイ
|
190,000~
|
5574-Mxx1
|
PS/55
モノクロ・ディスプレイ
|
128,000
|
5575-H02
|
ワイヤー・ドット・マトリックス
プリンタ ( 24ドット ) 15インチ
|
265,000
|
5576-001
|
キーボード (
日本IBMの傑作 ) けど でかい
|
43,000
|
5576-002
|
キーボード (
日本IBMの傑作 )
001と並び これこそ「最高」の意見あり
|
38,000
|
5576-003
|
キーボード、
002から数字KEYを部分を取り除いたもの
|
30,000
|
5576-A01
|
キーボード (
日本IBMの最高傑作 ) OADG基本配列
|
27,000
|
5576-C01
|
キーボード (
これはキーのクリックが違う。 US製? )
|
|
5577-H02
|
ワイヤー・ドット・マトリックス
プリンタ ( 24ドット ) 15インチ
|
498,000
|
5579-K02
|
ワイヤー・ドット・マトリックス
プリンタ ( 48ドット ) 15インチ
|
698,000
|
5579-H02
|
ワイヤー・ドット・マトリックス
プリンタ ( 48ドット ) 15インチ
|
818,000
|
|
|
|
5584-G02/H02
|
レーザープリンタ
A4
|
198,000~
|
5585-H01
|
レーザープリンタ
B4
|
455,000
|
5587-H01
|
レーザープリンタ
A3
|
758,000
|
5588-H02
|
レーザープリンタ
A3
|
448,000
|
5589-H01
|
レーザープリンタ
A3
|
698,000
|
|
|
|
オプションの価格は 1991.12 システムガイド、 および
1995.03 のパーソナル
コンピューター ラインアップ による。
ついでといっては何ですが
タイプを示す 末尾3桁はというと
5551-NAB を例にとると
N;
DX2-66
A; 導入済みOS、 DOS J5.0 & OS/2 J2.1
B;
HD 容量 200MB
という具合になります。 最初の
アルファベット、 中央 の数字 もしくは
アルファベット、末尾の数字 もしくは
アルファベットは以下のようになります。
|
最初のアルファベット
X-
-
|
|
CPU種類・速度 |
|
S |
386-16MHz |
SXも含む |
T |
386-20MHz |
|
V |
386-25MHz |
SXも含む |
U |
i386SX-20
& 386SLC-20MHz |
|
V2 |
IBM486SLC2-40MHz |
中央の
2 を伴なって倍速を示す |
W |
486SX-20/25 |
|
N |
486DX2-66 |
SCSI/IML |
Y |
486SX-33 |
|
L |
IBM486BL2-66 |
|
R |
486DX2-66 |
IDE/非
IML |
J |
486DX50 |
注:唯一
80286-10MHzと重なっている |
* PS/2系列となる
サーバー95/85 は除きます。
* PS/55では F/I/O/Q/X は使用されていません。
それ以外のアルファベットは
マルチステーションで既に使用済みです。
上記にあるように J は
マルチステーション 5550/40/60 で80286-10MHz
に使用されています。
I/O/Q は
数字との混同を避ける意味もあって飛ばされているのではないかと考えられます。
|
中央のアルファベット
あるいは 数字
- X -
|
0 |
基本構成。
OS無し |
5550/5530 の STAGE-I |
1 |
DOS導入済み
(あるいは同梱 ) |
5550/5530 の
STAGE-II |
2 |
倍速タイプのCPUを使用 |
|
A |
DOS
J5.0 + OS/2 J2.x 導入済みモデル |
Ace
ナンバー ? |
E |
SCSI /A 付き
IDEモデル + DOS J6.1/V |
5551-RED,
5530-LECなど |
F |
耐環境性モデルにあるが内容は不明 |
|
G |
耐環境性モデルにあるが内容は不明 |
|
J |
DOS J 4.0/V
導入済みモデル |
|
S |
SVGA /A 搭載
DOS J 6.1/V 導入済みモデル |
5521-YSB |
V |
DOS J 5.0/V
同梱 |
|
W |
DOS/V + Win3.xJ
導入済みモデル |
|
X |
XGA
あるいは XGA-2 搭載モデル。 |
モデルにより OS同梱 |
Y |
|
|
M |
M・CADAM
導入済みモデル |
|
|
|
|
例外的使用
( モデルナンバーも PS/2仕様
そのままなので CPU表示もそれに倣った ?
) |
K |
DX-33 |
9585-5KT |
N |
DX2-66 |
9595-5NT |
P |
Pentium 60 |
9595-5PT |
Q |
Pentium 66 |
9595-5PT |
末尾のアルファベットあるいは数字
--X
|
1 & 2 |
FDDモデル (HD無し
) |
2 は 2FDDモデル |
3 |
ESDI 30MB
HD |
5530以降 |
4 |
ESDI 40MB HD |
5530以降 |
6 |
ESDI 60MB HD |
5530以降 |
8 |
80MB HD (
ESDI もしくは SCSI ) |
|
9 |
ESDI 30MB |
5550/5500 |
A |
ESDI 60MB
or 70MB |
5550/5500/5570 |
A |
100MB ( SCSI/IDE
とも ) |
|
B |
ESDI
120MB or 115MB |
5550/5500/5570 |
B |
200MB or 160MB |
|
C |
270MB ( IDE )、
320 ~ 400 MB ( SCSI ) |
|
D |
340MB (IDE ) |
|
E |
540MB |
|
T |
1G |
|
おまけ; S/N
の製造地番号
2020.12.07 Diary WindさんのBLOG「IBM製品上2桁の製造地番号」で詳細を知ることができました。
一部のみ引用いたしますので詳細は上記BLOGを参照ください。 引用・修正箇所は青字にしました。
9x |
9で始まる番号はアジア地区を指すらしい |
99 |
日本国内生産
と思われる |
OEM (Japan) |
98 |
野州工場 |
|
97 |
Malasia
工場?
5576-B01に多い |
PC本体には
Made in Japan と記載されたものもある。
何と藤沢工場だそうです。 |
9? |
Taiwan |
|
90 |
Wangalat,、 Australia、 |
95系、サバー85系に多い |
78 |
Guadalajala,
Mexico |
|
55 |
Greenock UK |
|
36 |
Austin,
USA |
|
27 |
Boca
Raton, USA |
|
23 |
Raleigh,
USA |
本体表記では
Made in Canada もありますので、もしかすると
"Assembled" かもしれません。
|
|
|
|
01 |
Endicott,
USA |
|
-
日本国内でも工場はいろいろあるようですが、これらで番号が違うのかどうかはわかりません。
もしかすると
99の後のアルファベットで区別しているとか....
-
一時 Panasonic
Taiwanで製造していたモデルもあり、これらも番号が異なるように聞きましたが具体的にどういう番号だったのかわかりません。
-
上で紹介した Dairy
Wind Blog によれば Greenock, UK
以外にもヨーロッパ各国にIBM関連工場があったようです。
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PS/55
Index
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